「石けんは目にしみるけど大丈夫?」

石けんはpH10程度の弱アルカリ性なので、
目や粘膜、傷口などに直接触れると、
刺激があります。
なので、シャンプーや洗顔の時は経験的に目をつぶり、
目に入らないように注意します。
もし目に入ったときは、
きれいな水で良く洗い流すことも皆知っています。
それで、目に入ったときしみるから危険、
なのでしょうか。
石けんは、薄まると界面活性作用(註:下)がなくなるので、
体に浸透して害を及ぼすことはまずありません。
目に入ったときにはしみて涙を出し、
体が自然な反応で洗い流そうとしますし、
しみるから自然に水で洗い流したくなります。
むしろ、しみるから良いのだ、
と言うこともできるでしょう。
註:
石けんは、5000年もの昔から使われてきた
界面活性剤です。
界面活性剤というのは、
水と空気、水と油のように
本来は混ざり合わない性質を持つもの同士を
なじませることができるもののことです。
混じりあわないはずの水と油を混ぜるはたらきを利用して、
汚れを水の中に取り込んで
汚れを落とそうとしているわけです。
家庭用品品質表示法では、
人が作り出した界面活性剤を「石けん」と
「石けんでないもの」に分けています。
「石けんでないもの」は「合成界面活性剤」と呼ばれます。
なぜ石けんだけが特別扱いされているのでしょうか。
それは、製法がほかの界面活性剤に比べてシンプルだから。
そして、
水で薄まるだけで界面活性作用を失うという石けん特有の
(そして生き物にとって安全な)
性質を持っているからです。
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