水中歩行で胸苦しくなり、
救急車で運ばれたWさん。
実は水泳も水中歩行も
中高年の人には向かない、
むしろ危険な運動なのです。
スポーツ種目別の突然死の危険率
という統計があって、
そのデータによると、
水泳に突然死はウオーキングの7倍
という結果があるそうです。
もうひとつ、
スポーツクラブ、フィットネスクラブでの
死亡事故の統計で、
全体の75%が水泳中か
その前後に起きているという
データがあるそうです。
つまり水泳は死亡事故の多い運動なのです。
ではなぜ普段運動らしい運動を
していない中高年に
水泳が勧められるのでしょうか。
それはまず水圧の影響で
膝や腰にかかる負担が軽減されるからです。
太った中高年の人は、
膝や腰を痛めている人が多いだけでなく、
膝や腰に異常がなくても、
当然膝と腰に負担がかかりますから、
長時間のジョギングやウオーキングは勧めにくい、
これが膝、腰に負担の少ない
水泳や水中歩行が勧められる理由です。
もうひとつ、
次のようなダイエット理論があります。
有酸素運動であり
ダイエット運動の定番ともいえる水泳は、
ダイエットに効果的です。
水の中に入ることで
全身に水の圧力がかかり、
内臓を強化する効果もあります。
呼吸器系を鍛えてくれるので
心肺機能もアップし、
脂肪も燃えて
健康にもいいという理論ですのです。
軽く息をはずませて動き
汗ばむくらいの
エアロビクスやジョギングも、
有酸素運動に入っています。
何故有酸素運動をすると、
脂肪が燃焼するのでしょうか。
食事などで体に取り込まれた脂質は、
血液を通して全身に送られます。
同じ様に、
血液中に溶け込んでいる酸素が脂肪と結合し、
脂肪と共に燃焼します。
そのため、
有酸素運動で
体内にたくさんの酸素を
取り入れることができれば、
脂肪を燃やすことが
できるようになるのです。
体内に蓄積されて長い脂肪は、
20分以上継続した
有酸素運動をしなければなりません。
蓄積された脂質を
燃やすための脂肪燃焼酵素リパーゼは、
体が温まってからでないと
活動しません。
リバーゼを活性化させるのに必要な適温は、
平熱プラス1~2度であり、
上昇するのに通常20~30分を要する為です。
しかし水中で水圧を受けて
体重が軽減されるということは、
水から出たときにはそれが解除され、
急に血圧が下がる可能性があるのです。
血圧の急激な変化は
動脈硬化などの傾向がある中高年には、
発作を誘発する危険が高いのです。
このことは
意外に医療現場、
健康指導の現場認識されていないことが多く、
そのためWさんの実例が起きるのです。
このことから、
メタボ解消に運動をする中高年の人は、
まずウオーキング、
ストレッチ、それにジョギングで、
水中の運動(水泳や水中歩行)
は避けることが賢明です。
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